先日入手した中井正一『生きている空間』(てんびん社、1971年)が、

・表紙が焼けている

・かがり糸がゆるんでいる

・最終頁と見返し紙がくっついている

といった具合で、状態があまり良くない。

で、自分でルリユール(製本)し直すことにしました。

せっかくの機会なので、「うちのお店ではこんなサービスもしますよ」という宣伝をかねて、ルリユールの工程を簡単にまとめてみました。

 

1. 布を裏打ちして加工しやすくする。

表紙とする布を平らな板に敷き、水で濡らして密着させてから、糊を塗った紙を貼り、24時間の自然乾燥。これによって、布がへなへなとならず、布の裏面に製図できるようになります。

2. 本をばらす。

いささかの罪悪感とともに、本文と表紙をべりりと切り離します。元々のかがり糸がついているので、これも取り除き、ノドが弱くなっている折丁があれば、薄い和紙で補強。

3. 本文の折丁に穴を開け、糸でかがる。

プレス機に折丁の束をはさみ、糸かがり用の穴をつくるため、適当な位置で糸鋸を引き、穴が直線上に並ぶように開けます。それから、折丁の順番に注意しながら、糸でかがります。

4. 本文の背部分に寒冷紗、スピン、花布、クータを貼る。

ここまでくると、かなり本らしくなります。

5. 表紙と背表紙に貼る外題を作り、貼る位置を決め、表紙に貼る厚紙を凹ませる。

厚さ2mmの厚紙なので、1mm分凹ませます。凹ませずに外題を表紙布に貼ると剥がれやすくなってしまいます。

6. 表紙布に厚紙を貼る。

裏打ちした布の裏に製図して、表紙・裏表紙・背表紙の芯となる厚紙の位置を決めてしっかり貼ります。(ちなみに、恥ずかしながら、この写真の製図はちょっと間違っています。正しい製図の写真を撮り忘れました。)

7.表紙布で本文をくるみ、接着し、外題を貼る。

 

ざっとこんな感じです。

裏打ちした布を乾燥させるためだけでも24時間必要なので、すぐにできる仕事ではありませんが、余裕をもって注文していただければ、こんなサービスもしますので、ご興味のある方はご相談くださいませ。